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2009年10月25日

『桜の園』に向けて3

『桜の園』の上演に向けて、毎週日曜日はうちの劇団員たちの紹介を代表であり演出である僕から、僕なりの視線で書いてみたいと思う。
書き方に語弊が有る場合もあるだろうけど、読者の方は我慢していただきたい(笑)
第3回の今日は…。
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本多賢史(ほんだまさふみ)
今回演じるのはピーシチク。
いつも金のことと娘のことばかり考えている痛風持ち。
前回同様、役の詳細は割愛します。

ありとあらゆる意味において渥美先生に迷惑をかけ続けた男。
僕が最初に見た頃は芝居というものへの先入観と固定概念が異常に強く、こうと決めたら譲らないタイプの役者だった。そのこと自体は悪いことではないが共演者との折り合いが悪く作品という概念で見た場合成立してない部分が多く「これで大丈夫か?」という印象をよく受けた。

芝居について言えば、最近は物腰の強い役からややおっとりした役まできちんとやり分ける知性を身に付けたらしく、安心してとは行かないまでもある部分においては任せておいても大きな間違いはしなくなったと思う。そして、何よりこの人の良さは独特の個性と声。小さな声から広がりのある声まで意外に幅広く、かつ大胆な台詞回しと躊躇のなさが魅力だと思う。ただ着地点の無さは性格から来るものらしくやりっぱなし感のある奔放な演技と言える。一言で言えば『未完の大器』といった感じの役者さんだが、御歳40歳に近づいてるいま、のんびりしたもんだとものすごく感心するのも事実である。

これまでの上演で言えば『屋上庭園』の並木役はうちでも右に出るものの無い出来栄えだった。ある意味ではこれで開花したといってもいいかもしれない。九州男児らしい頑なさと、無骨さ、男の見栄、そして弱さ。硬軟上手く取り入れて演じていたと思う。
チェーホフの名作で言えば『三人姉妹』のトゥーゼンバフが当たり役だろう。

今回は彼の人柄のよさ、素朴さを買っての配役だが、どんなピーシチクになるかは乞うご期待。

とにもかくにも本多賢史をよろしくお願いします。
posted by connie at 10:59| Comment(0) | 役者紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月18日

『桜の園』に向けて2

『桜の園』の上演に向けて、毎週日曜日はうちの劇団員たちの紹介を代表であり演出である僕から、僕なりの視線で書いてみたいと思う。
書き方に語弊が有る場合もあるだろうけど、読者の方は我慢していただきたい(笑)
第2回の今日は…。
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岩崎友香(いわさきゆか)
今回演じるのはワーリャ。ワルワーラ・ミハイロブナ。
この家の養女として連れてこられるが、その実は家政婦。
前回同様役の詳細は、割愛します。

確かまだ21歳だかそのくらいの年齢だったはずだが、表面的には非常にしっかりしているし責任感もある。もちろん、責任感というのは諸刃の剣でそのために本人が苦しむことも周囲が苦しむことも当然ある。一般論としてだが。
性格的にネガティブなところがあり、僕は長所だと思っているが本人がそこを強く改善しようとしているために生まれる自己矛盾にたびたび苛まれていて、やっぱりまだ若いのだと思うことがある。

芝居については、台詞回しが明瞭快活で気持ちがいい。ある種の特異性を持った声をしているために音の存在感が大きい。僕は日ごろから演技力というのは基本的にバランス感覚だと思っているが、その点に関しては能力が潜在的に高くこの年齢にしては『上手い』女優さんだと思う。
ただ、演技というものに対して理想家であるために時として現実的でない部分があることも事実。シンプルにやりきってしまえば気がつきそうなファクターに対して、きちんと取り組んで慎重なために正面しか見てなかったり、そうかと思うと側面的なことに非常にこだわったり。むろん、そういう試行錯誤が自分を成長させ、今より一歩でも高く足を上げるためには必要なのだが、もっと『ただ演る』という大胆さが出てくれば、演技の幅が広がるし彼女の理想とする『つながる』に通じると僕は思っている。そもそも『つながる』ということ自体が無意識的な行動なのだ。

これまでの上演で言えば、清水邦夫の『楽屋』の女優Bが個人的には一番好きだ。上記したような『思い切り』がきちんと伝わってきたし、死んでいる役にもかかわらず生き生きやっていた。こういう矛盾はなんとも感じないのが彼女のいいとこだ。「死んでいるので生き生きは出来ません」みたいな屁理屈は言わない。
チェーホフの名作で言えば『三人姉妹』のナターシャが当たり役だろう。

今回彼女がどんなワーリャを演じるかはほんとに期待して欲しい。僕にとって『かもめ』のマーシャ、『桜の園』のワーリャ、『三人姉妹』のマーシャはとても思い入れのある役で劇のキーパーソンなのだ。今回は半年、僕に怒鳴られるのは彼女でしょう。

とにもかくにも。
岩崎友香をよろしくお願いします。
posted by connie at 09:57| Comment(0) | 役者紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月11日

『桜の園』に向けて1

『桜の園』の上演に向けて、毎週日曜日はうちの劇団員たちの紹介を代表であり演出である僕から、僕なりの視線で書いてみたいと思う。
書き方に語弊が有る場合もあるだろうけど、読者の方は我慢していただきたい(笑)
第1回の今日は…。

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室井俊介(むろいしゅんすけ)
今回演じるのは、ロパーヒン。エルモラーイ・アレクセーイチ。
農奴出身の男で現在は商人。
役に対する詳細はあまり書いてしまうと稽古に支障が出るのでこの辺に。

この14年間で僕が珍しく「室井君」と苗字で呼んでいる人物。僕は相手が男であれ女であれ基本的には下の名前で呼ぶのだが、彼だけは何年付き合っても苗字。理由がなんだか分らないが僕の中で「シュンスケ」の第一位に来るのが『中村』だからか?なんて。
10代の頃から彼を知っているので、印象は様々だが「大人になった」というのが一番強い。というのも、本当にクソガキだった。遅刻はしてくるし、意思ははっきりしないし、台詞もちゃんといえなかった。
でも、ある日気がつくと彼ははっきりと大人になっていた。
なんでだ?
男の子にはごくまれにそういった現象が見られるが、こんな顕著な例もなかなか見られない。それ以降は彼はアクトにはなくてはならない人物となった。
芝居のことで言えば、どちらかというと西洋人的。日本人特有のうねりやシナの少ないタイプ。笑うと印象が劇的に強く大きくなるので明るい屈託のない役か、まったく正反対に笑いをなくす役かどちらかが適役だと思う。
これまでの上演で言えば『温室の前』の西原が個人的には一番好き。
もっと歳をとらないと大成しないタイプでもあるし、逆に言えば今の若さならヒーローよりもヒール(悪役)でいたほうが存在感が出るのじゃないかと思う。
チェーホフの名作で言えばヴェルシーニン(三人姉妹)がほんとのところは当たり役だろう。ロパーヒン(桜の園)・トリゴーリン(かもめ)・ヴェルシーニン(三人姉妹)は僕の中でチェーホフ3大ヒールなのだ。

今回彼がどんなロパーヒンを演じるかは乞うご期待。
今のところは全容の4割ほどを彼に話してはあるが変更になることもしばしばだし、変な話、僕の中で想像以上であればいつでもひとつ上のステップへ上がってもらうからだ。

とにもかくにも。
室井俊介をよろしくお願いします。
posted by connie at 10:27| Comment(0) | 役者紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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